交通事故に遭った後、最初の3日間でやるべきこと|一般社団法人 交通事故サポート協会
交通事故に遭った直後の行動は、今後の治療や生活、さらには損害補償の手続きに大きく影響を及ぼします。特に「最初の3日間」は、医学的にも法的にも極めて重要な期間とされています。しかし、実際には動揺や混乱の中で適切な判断を下すことが難しいケースも多く見られます。
本記事では、協会としての中立的な立場から、交通事故直後の初動対応について、医学的根拠や制度の観点を踏まえつつ、専門性の高い内容をわかりやすく解説します。テーマは「交通事故被害者の支援」「制度の理解」「社会全体の啓発」です。
目次
- 事故直後〜1日目:最優先すべきこと
- 2日目:医療機関の受診と記録の徹底
- 3日目:保険会社への連絡と制度理解
- 協会が支援した匿名事例の紹介
- 協会の見解・方針・提言
- 交通事故で困ったときの相談窓口
- 参考リンク
事故直後〜1日目:命を守るための初動と証拠保全

1. 負傷者の救護と安全確保
交通事故が発生した直後は、まず周囲の安全確保と負傷者の救護が最優先です。道路交通法においても救護義務は明確に定められており、事故対応の基本になります。
「軽症だと思って放置した結果、後から症状が悪化した」 といった事例は全国的に多数報告されています。
協会としては、事故の大小に関わらず、必ず救急要請を含めた安全確認を徹底することを推奨します。
2. 警察への通報と事故証明の取得
物損事故であっても、必ず警察へ通報し「事故証明書(交通事故証明書)」の発行手続きが必要です。これは今後の保険請求・法的手続きにおいて必須資料となります。
加害者・被害者双方の連絡先や車両情報も正確に記録し、後日情報が不足することのないよう注意が必要です。
3. 現場写真・動画の記録
事故直後の現場状況は時間が経つにつれ変化します。車両位置、ブレーキ痕、周囲の環境など、スマートフォンで可能な限り記録しておくことが、後のトラブル防止につながります。
協会としては、特に「事故の直前・直後の車両位置関係」が後日の争点になりやすいため、複数角度で記録することを推奨しています。
2日目:医療機関での受診と診断書取得
1. 必ず医療機関を受診する理由
事故直後はアドレナリンの影響で痛みを感じにくく、翌日から症状が強く出るケースが多々あります。「そのうち治るだろう」と受診を先送りすると、後日治療費や慰謝料に大きな影響が出る可能性があります。
医学的にも、むち打ち症や腰椎捻挫などは遅発性の症状が多く、早期受診が回復の鍵となります。
2. 診断書の重要性
診断書は治療の起点となり、保険会社が補償内容を判断する際の基礎資料となります。事故翌日〜2日目の受診が望ましく、協会としても早期受診を強く推奨しています。
3. 症状を正確に伝えるポイント
・「少し痛い」「なんとなく重い」など曖昧な表現は避ける ・痛む部位、頻度、生活への支障を具体的に説明する ・事故との因果関係の有無を医師と確認する
これらは治療計画の精度を高め、適切な支援につながります。
3日目:保険会社への連絡と制度の理解
1. 補償制度を正しく理解する
交通事故の補償制度には、自賠責保険、任意保険、人身傷害補償、自転車保険など多様な仕組みがあります。被害者にとって不利益が生じやすいのは「制度を知らないこと」です。
協会として重要視しているのは、制度の複雑さにより、被害者が適切な補償を受けられない状況をなくすことです。正確な情報へのアクセスは支援の第一歩です。
2. 保険会社への連絡時の注意
・事実を正確に伝える ・感情的な表現は控える ・医師の診断内容をもとに話す ・通院予定や症状変化を逐次共有する
また、治療終了の判断は必要に応じて医師の意見を第一にすべきであり、協会としても医学的根拠に基づいた判断を推奨しています。
協会が支援した匿名事例の紹介
ここでは協会が関わった事例を一般化し、交通事故直後の対応がどのように影響するかを示します。
福岡市在住の30代男性は、追突事故の翌日に痛みが強くなり協会へ相談。 事故直後は「軽い痛み」と判断していたが、翌日から頸部と腰部に強い痛みが出現。 医療機関受診と制度説明を行い、適切な治療計画を立てることができた。 結果として、必要な治療期間が確保され、日常生活の復帰が円滑に進んだ。
このように、初動が遅れることで治療期間が短く判断されたり、補償を十分に受けられないケースが実際に発生しています。協会はあくまでも「中立的」な立場で制度・手続きの理解を支援しています。
協会の見解・方針・提言
●見解:事故直後の行動は被害者の権利保護に直結する
事故直後〜3日間の対応は、被害者の身体的回復、生活再建、補償手続きに極めて重要です。特に制度理解と医療機関受診は「被害者の権利を守るための基礎行動」です。
●方針:誰もが正確な情報にアクセスできる社会へ
交通事故は誰にでも起こり得ます。協会として、専門的情報を一般の方にも分かりやすく届け、「情報格差による不利益」をなくすことを最重要方針としています。
●提言:初動対応に関する全国的な啓発の強化
事故直後の初動に関する啓発は十分とは言えません。協会として、行政・医療機関・教育機関と連携し、より広い社会に安全教育を広げていく必要があると考えています。
詳しい協会情報は公式サイトをご確認ください: https://jiko-support.or.jp/
交通事故でお困りの方へ|相談窓口
もし現在交通事故でお困りの状況がある場合、協会では中立的な立場から「制度の理解」「手続きの整理」「必要な支援機関へのつなぎ」を行っています。
まずはお気軽にお問い合わせください(営業目的ではありません)。
専門性を持った担当者が、被害者の不利益を防ぐために必要な情報提供を行います。
参考リンク
協会から皆さまへのメッセージ
交通事故は、被害者の生活・仕事・家族関係にまで大きな影響を与える出来事です。協会として、制度の理解不足や初動の遅れによって不利益が生じることを一件でも減らしたいと考えています。
私たちは、交通事故に遭った方が「正しい情報に基づき、安心して前に進める環境」を整えることを使命としています。特に、被害者が抱える不安や疑問に寄り添い、社会全体で支え合う仕組みを広げていくことが重要です。
そして私たちは何よりも、 「交通事故で困っている方を一人でも多く救いたい」 その思いを胸に、日々の支援活動を続けています。
すべての交通事故被害者が安心できる社会の実現を目指して。

